精神疾患で休職した公立学校教員が2022年度、初めて6千人を超えた。民間企業への産業医紹介などを手がける「メンタルヘルステクノロジーズ」(東京)の社長で、文部科学省が始めた教員のメンタルヘルス対策のモデル事業に関わる刀禰(とね)真之介さん(44)に、学校と企業の違いや休職者を減らす仕組みづくりのポイントを聞いた。
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文科省の調査では、「精神疾患で病気休職をしたり1カ月以上病気休暇を取ったりした教員」の割合は20年度に全体の1・03%だったが、22年度には1・33%に増えた。一方、厚生労働省の調査によると「1年間にメンタルヘルス不調で連続1カ月以上休職した労働者又は退職した労働者」の割合は、1千人以上の事業所では20年の0・8%から22年には1・2%になった。
いずれも割合が増えたのはコロナ禍の影響だろう。職場に行けなかったり、マスクでコミュニケーションがとりにくかったりという環境の変化が主な要因と考えている。教員の場合、一般の労働者より精神疾患の割合が高いのは、心の健康への取り組みの水準が極めて低いからだとみている。
私は20代のころ投資ファンドや証券会社を渡り歩いたが、働き過ぎもあり10年に入院し、翌年、医療に恩返しをしようと医師のデータベースをつくる会社を起業した。さらに、企業の従業員が産業医や産業保健師に気軽に相談できるサービスを軸に、心の健康を改善する取り組みを始めた。
教員の心の病、対策の水準「極めて低い」
そして19年、公務員向けの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル